AMERICAN TOP40(全米トップ40)


この番組を聴いて、洋楽ファンになった人多いかと思います。
この番組が開始したのは1972年10月14日。その時は小学生だったので、当然聴いていませんでした。この番組の存在を知ったのは、開始から遅れるほど5年経った頃のことでした。
聴き始めた当時はチャート(ランキング)を知るというよりは、チャート間のコーナーが好きで、新聞欄にこの頃夢中になっていたベイ・シティ・ローラーズの情報があるというと、眠い目をこすりながらラジオに耳を傾けたのでした。その後日本でのチャートとアメリカでのチャートの違いを知るようになり、いつの間にか最初から最後まで聴くようになっておりました。
ビージーズ、イーグルズ、アバ、ビリー・ジョエル、ドナ・サマー、ダイアナ・ロス、ビレッジ・ピープル、ブロンディ・・・この番組がきっかけでアルバムを買ったアーティストは数え切れません。この番組はアメリカの音楽情報誌「BillBoard」のHOT100から上位40曲を40位から1位までを発表していくのですが、英語版と日本語版で多少違っていましたので、双方を説明します。

1.日本語版
この番組の大元はアメリカ(ウオーターマーク社)で製作されていて、日本で放送するためにライセンスを取得し、最初に放送したのがラジオ関東(現在はラジオ日本)でした。当時の記録によると、放送開始から湯川れい子さんが進行役をやっていました。放送開始から1年後に坂井隆夫アナがチャート(ランキング)を発表するようになり、レギュラーとなったそうです。この2人に加えて「アシスタントDJ」として一般リスナーから選ばれた方がサブとして登場していました。「チャッピー」こと山本さゆりさんや矢口清治さん、「スヌーピー」こと今泉惠子さんなど、現在活躍されているDJがこの番組から巣立ったというのは言うまでもありません。
ラジオ関東での内容は、ランキングの発表(ランクが下がったものは曲をかけずに読み上げることのみだったようです。)、アルバムチャート、イエスタディPOP(思い出の曲の紹介)、ジョークボックス(リスナーのハガキを元に詩や曲をパロディーにしたもの)、来日したアーティストへのインタビュー・・・など、当時の音楽番組にしては中味の濃いものでした。
ラジオ関東での番組は15年近く続き、「番組の契約切れ」という理由で終了してしまいました。(残念ながらラジオ関東での番組終了日を覚えていません。)
その後、FM東京を中心としたFM局に引き継がれました。
女性DJと外人のDJがチャートを読み、リスナーからのハガキを紹介するというシンプルな内容になっておりました。スタート当時は日曜日の午後7時から2時間の放送でしたが、大元のDJがケーシー・ケイサムからシャドー・スティーブンスに交代されたの機に金曜日の深夜に移行され、1997年春ごろに放送が終了してしまいました。
しかし2001年4月から毎週土曜日夜8時から10時まで、FM横浜で再度復活しました!
DJはケーシー・ケイサムと小田静江となっていて、アメリカ版のDJがケーシーケーサムで、アメリカチャートを日本人DJが解説するという形式だろうと思われます。(一度は聞いてみたいのですが、ワタシの住んでいる地域からは不可能でしょうか??)

2.英語版
この番組のDJといえば、言うまでもなく「Casey Kasum」(ケーシー・ケイサム)でしょう。聴きやすい英語でありながら彼のしゃべりがら多くの英語の表現を学んだリスナーも多いことでしょう。
英語版はのべ4時間。一時FENでも放送していて、毎週土曜日の午後1時5分から5時まで最初に聴いて、夜またラジオ関東の番組を聴く・・・というコトも時々やっておりました。
英語版は1時間にチャートの曲をフルコーラスで流し、曲の紹介の前に世界中1000近い放送局でOnAirされていたというだけに、放送している放送局の紹介を入れていました。もちろんFM東京やラジオ関東で放送されていることも言ってたようです。チャート間には「Long Distance Delication」という、家族や友人、恋人などへささげる曲のリクエストをリスナーからのハガキを読んで紹介するコーナーもありました。(FM東京でやっていた時には時々このコーナーが英訳付きで紹介されました。)また1時間を終了する前には、コーナー名を忘れましたが過去上位にランクされた曲を流しておりました。
日本版同様、90年前半頃にケーシー・ケイサムが番組を降り、その後シャドー・スティーブンスが引き継ぎました。この頃FENでの放送が終了してしまい、地方の米軍放送ではその後も引き続きOnAirされていたようです。
(現在放送されているかは不明なので、もし情報をお持ちの方がおりましたらご一報下さい。)

ケーシー・ケイサムは番組を降りて数年後、「ケーシーズTOP40」という番組を持ち、Radio&Recordsだったと思いますが、ここからのチャートをTOP40と同じ形式で放送していました。この番組は現在なくなっている可能性が高く、代わりにAT40にケーシー・ケイサムが復帰した・・かもしれません??

とにかく、アメリカのヒットチャートのランキング番組としては、20世紀を代表する番組といっても過言ではありません。
そして、今ではラジオから聴けなくなってしまったケーシー・ケイサムのDJを再び聴くことが出来ればどんなに嬉しいことか・・・、と思いつつ若いDJのヒットチャートの番組を聴いています。。

*おことわり:この内容を書くに当たって、アルク発行の「AMERICAN TOP40withCasey Kasum」を一部引用・参考させていただきました。(本書は昭和59年4月発行となっており、おそらく現在では廃刊になっていると思われますが?)